ADR-0033 敵によるページの白紙化を条件付きで復活させる
| 状態 | accepted |
| 決定日 | 2026-08-29 |
| 区分 | ゲームデザイン |
| 置き換え元 | ADR-0028(superseded) |
背景
ADR-0028 は「敵はページを焼かない」と無条件に決定し、破壊は全てプレイヤー自身の手から来る(柱4)という原則をメカニクスに反映した。
ADR-0030 でカード効果が変数と作用に分解され、ADR-0032 で敵の作用も同じ文法に乗ったことにより、白紙化を「無条件の焼却」ではなく「跨ぎで防げる Intent の1つ」として表現する土台ができた。Issue #34 は、白紙化を無条件に禁止し続けるか、条件付きで復活させるかを問うている。
決定
敵によるページの白紙化を、Intent として条件付きで復活させる。
- 白紙化は敵の作用列の1要素であり、**対象変数は「面の記入状態」、演算は「設定(代入・消去)」**である
- ターン開始時の予兆で、他の Intent と並んで予告される
- 対象領域は、白紙化 Intent ごとに指定する。 効果システムがすでに持つ領域の軸(手札/山札/捨て札/合算)をそのまま使い、選んだ領域内からランダムに1枚を選ぶ。対象領域は作用が持つ設定値の1つであり、敵1体の属性ではない — 同じ敵が複数の白紙化 Intent を持つ場合、それぞれが別の領域を対象にしてよい。どの領域を対象にするかは個々の敵の設計(#35)が選ぶ。選ばれたページの、そのプレイヤーの現在の刻に対して発動する側の面が白紙に戻る。すでに白紙の面が選ばれた場合、その Intent は不発になる
- 跨ぐことで、他の Intent と同様に列の先頭から消せる。 被弾軽減の防御(多重集合)はこの Intent には効かない — 防御が消費対象にするのは HP を減らす Intent(被弾)だけであり、白紙化は被弾ではない。唯一の対抗手段は跨ぎであり、これは対象領域に関わらず機能する(下記)
- 敵はページを永久に破壊しない。 白紙化は「発動する面が失われる」だけであり、(手札にあれば)ペンで書き込めば元に戻る。デッキからページが失われる(=破る)操作は、依然としてプレイヤー自身の手からしか起きない
却下した案
| 案 | 却下理由 |
|---|---|
| 無条件の白紙化を維持する(現状維持) | Issue #34 が問うている前提そのものであり、この壁打ちの結論としては採用しない |
| 白紙化を特性として復活させる(跨ぎで防げない) | 唯一の能動的な防御手段である跨ぎを迂回する脅威になる。敵の設計 の「不動」に対する注意(他を弱くして釣り合わせる必要がある)を、防御不可能な形でさらに重く負うことになる。Intent 化すればこの注意が要らなくなる |
| デッキから永久にページを除去する形で復活させる(ADR-0028 以前の仕様) | 柱4「破壊は全てプレイヤー自身の手から来る」に真っ向から反する。今回はページを失わせず、発動面を一時的に奪うだけに留める |
| 被弾軽減の防御で白紙化も防げるようにする | 「被弾」の定義を HP 減少以外にも広げることになり、防御の多重集合が持つ既存の意味(効果システム)と衝突する。跨ぎだけを対抗手段にしたほうがルールが増えない |
| 対象領域を手札に固定する(ADR-0017 の原則をそのまま踏襲) | ADR-0017 が「防げない喪失を起こさない」ために手札へ絞った当時の対抗手段は「そのページをプレイして逃がす」であり、対象が分からなければ機能しなかった。 今回の対抗手段は跨ぎであり、Intent 自体を消せば対象が何であれ実行されない。防げるかどうかが対象領域に依存しなくなったため、手札への固定は不要になった。 ADR-0017 が立てた原則そのものは、跨ぎという形で引き続き満たされている |
影響
- 柱4 の「敵はページを焼かない」という表現は正確でなくなる。 正しくは「敵はページを永久に失わせない(発動面を一時的に奪うことはある)」。design-pillars.md を更新する
- 敵の設計 の「敵がしないこと」を更新する
- バトルシステム の「白紙ページ」節に、白紙化の発生源としての敵を再度記載する
- 効果システム の演算表に「面の記入状態」への代入を追加する(ADR-0032 の影響と重複するため、そちらで一括して扱う)
- 「蘇生」(白紙化を戻す)「忘却」(白紙化される枚数を減らす)という、ADR-0028 で対象を失っていた効果語彙が対象を取り戻す可能性がある。ただし語彙としての復活ではなく、変数と作用の組み合わせとして個々のページ設計(#35 以降)が扱う範囲である
- 進行と経済 の「デッキが劣化する外圧は存在しない」という結論は変わらない。白紙化はデッキの枚数にも構成にも影響しないためである
- 白紙化が発動すると、対象領域によらず、どのページのどの面が白紙化されたかを UI がポップアップで通知する(バトル画面)。したがって山札・捨て札を対象にしても「見えない喪失」にはならない。山札・捨て札の中身を常時一覧表示しない仕様(開発者モード限定のまま)とは衝突しない — 見せるのは白紙化された1枚だけである
- ステージ内特殊操作(ペン)は手札のページのみを対象とするため、山札・捨て札を対象にした白紙化 Intent は、その面を引くまで書き込みで直せない、という制約は残る