ADR-0017 白紙化の対象を手札のみに限定する
| 状態 | superseded |
| 決定日 | 2026-08-11 |
| 区分 | ゲームデザイン |
| 置き換え先 | ADR-0028 |
この決定は ADR-0028 に置き換えられた。 白紙化そのものが廃止されたため、その対象を絞る決定は対象を失った。本エントリが立てた原則「防ぎようのない喪失を起こさない」は、いまも生きている。
死語
この ADR は 2026-08-11 時点の語彙で書かれている。 本文の次の語は、いま通じないか別の意味になっている。現行の定義は 用語集 にある。
| 本文中の語 | この ADR での意味 | 現在 |
|---|---|---|
| 白紙化 | 敵がページを白紙ページへ変える攻撃。本 ADR はその対象を手札に絞った | 廃止。敵はページを焼かない(ADR-0028) |
| 帯 | 敵が毎ターン宣言する刻の区間。幅を持った | 廃止。敵は幅を持たない一点=座(ADR-0024) |
| 栞(を挟む) | 軌跡上の障害物を退けるための操作 | 廃止(ADR-0023) |
| 予兆 | 帯の位置と攻撃力の予告 | Intent の予告(ADR-0024) |
| 手札 | ターン終了時に全て捨て、毎ターン規定枚数まで補充された | ターンをまたいで残る(ADR-0026) |
背景
ADR-0002 で定めた3つの判定のうち、白紙化の対象が「手札または山札」だった。しかしこの2つは、プレイヤーにとって意味がまったく違う。
| 焼かれる場所 | 対抗手段 | 体験 |
|---|---|---|
| 手札 | そのターンにプレイすれば捨て札へ逃げられる(=帯へ踏み込む=被弾) | **選択の結果。**見捨てたのは自分 |
| 山札 | 無い。 プレイできない場所にあるので何もできない | **ただ減る。**何が減ったかも分からない |
さらに バトル画面 は「山札の中身は表示しない」と決めている。つまり山札の白紙化は 防げず・見えず・永久 の三重苦であり、ビルドを組む楽しみを損なう。
加えて、栞は「手札のページを山札へ戻す」操作だが、山札も焼かれるため栞で逃がしても焼かれる。 栞の設計が成立していなかった。
決定
白紙化の対象は手札のみとする。山札・捨て札は対象外。
白紙化は永久のままとする。 戦闘終了で元に戻したりはしない。
山札まで焼く挙動は、一部の敵だけが持つ付随効果(深層焼却)として設計する。これはプロトタイプのスコープ外である。
却下した案
| 案 | 却下理由 |
|---|---|
| 白紙化を戦闘限定にする(戦闘終了で復帰) | ストレスは最も小さいが、シナリオの新陳代謝と柱4の因果連鎖(白紙は破るしかない → 綻び)が両方消える。対象を手札に絞れば、永久性を捨てずにストレスだけ取り除ける |
| 段階化する(焦げ → 2度目で白紙) | 回避の余地を残しつつ永久性も保てるが、ページの状態が1つ増え、UI と セーブデータの両方に波及する。手札限定で同じ目的が達成できるなら、状態を増やす理由がない |
| 現行維持(手札+山札) | 防げない永久喪失が積み上がり、栞の設計も成立しない |
| 1ターンの白紙化枚数に上限を設ける | 量は抑えられるが、「防げない」という性質は変わらない。痛みの原因は量ではなく無力さだった |
影響
- 白紙化が完全に回避可能になった。 焼かれたページは常に「救う手はあったが、代償が高すぎて見捨てたページ」になる
- 永久性を保てたため、新陳代謝と柱4の因果連鎖がそのまま残った
- 栞が救出手段になった。 予兆を見て「プレイして逃がす(被弾する)/栞で山札へ隠す(方向を失う)/見捨てる」の三択が生まれる
- ルール変更としては、交戦条件から「または山札」を削るだけで済む。ターン構造は既にこれを支えている(白紙化は手順6、残った手札が捨て札へ行くのは手順7)
- バトル画面 から山札の焼却表現が不要になった。焼却予告は手札にだけ出る
- 焼却量が約 1/3 に落ちる(手札5枚 / デッキ15枚前後)。白紙化が脅威として立たなくなる恐れがあり、帯の幅・手札枚数・敵の類型のいずれかで補償が要る可能性がある
- 「1ターンの白紙化枚数に上限を設けるか」という論点は、手札枚数が実質的な上限になったことで解消した